

海水魚の飼育のコツ
お店で海水魚を見ていたところ海水魚の水槽に魅力を感じ、自宅で海水魚の飼育を始めたのですが、淡水魚、熱帯魚、しか飼育したことなかったので、魚が病気になり直ぐに死んだりなど、思うように飼育ができず困っていました、そこで知り合いのアクアリストの方々に飼育方法を聞いたのでその飼育のコツを教えます。
1.飼育のコツ
①設備の投資は手を抜かない
飼育に必要な水槽など設備関係は、いろいろ揃えるとかなり高額になってしまいますが、設備投資は初めから「ここまではいらないだろう」と思われる 余裕をもったサイズのものを購入した方が、後々安く納まることが多いように思います。
飼育当初は小さめの水槽で飼育を開始し、濾過機能が不充分のうちに魚を入れ過ぎて、すぐに魚が死んでしまうケースが多いと思います。
海水魚は特に濾過機能が重要になりますので、惜しまずに設備を整えるようにして下さい。
②魚を入れすぎない
魚が多ければ多いほど、水質維持が難しく発病しやすくなります。水槽と濾過は余裕のあるサイズで、魚の数は少なめに飼育することが長期飼育のポイントです。
④魚が落ちた(死んでしまった)ときに原因を究明する
海水魚飼育で一番重要なことが、魚が落ちた時にその原因を究明して同じ失敗を繰り返さないことです。
海水魚の長期経験者でも、未だに発病や魚を落とし続けている人もいれば、経験の浅い方でも60cm程度の水槽で上手に飼育している人もいらっしゃいます。
経験者で毎年同じ失敗を繰返している人は、色々な知識を蓄積しているものの、何かが間違っているのにも拘わらず、その間違いに気付かない場合が多いようです。
また、魚が落ちても自分の失敗を否定できずに、何故か肯定してしまうヒトがかなり存在しているように思います。
確実に飼育のスキルアップを望む方は、常に初心を忘れずに持ち続けて下さい。
私の飼育の基本は魚が落ちた時は常に原因究明をおこない、同じ失敗を繰返さないように心掛けています。
2.設備を揃える
(1)水槽
水槽は大きいものから小さいコンパクトタイプまで様々なサイズがあり、材質もガラス製とアクリル製の二種類があります。
「ガラス製は重いが、アクリルよりもキズが付き辛い。」など、お互い一長一短はありますが、価格的に手頃に購入できるのはガラス製のセット水槽です。
但し、セット水槽の濾過は外部フィルターや上部式濾過が主であり、「飼育が簡単におこなえる」と手軽さを前面に謳っているものの、 次項で述べるように確実に飼育する為にはメンテナンスの手間が掛かるなどの欠点も存在しています。
また専門誌などでは30cm程度のコンパクト水槽で華麗にセットアップしている場面を見掛けますが、そのような小さいサイズでの飼育はお薦めはできません。 コンパクト水槽で飼育ができないわけではありませんが、水量が少ないことから水質維持が難くなり、初心者では失敗するケースが多くなります。
これから海水魚の飼育を考えている方は、コンパクト水槽よりも水量が確保できる60cm程度の水槽でスタートするのが良いでしょう。 このサイズは量産品なので付随する照明器具等も含め、小さい特殊サイズ水槽よりも安く購入することができ、また飼育もより確実なものになっていきます。
(2)濾過
設備面において最も重点を置いて頂きたいのが濾過です。濾過を軽率にしてしまうと水質維持が難しくなり、発病の原因になりますので注意して下さい。
濾過の形状を大きく分けると下記のとおりです。(各々の機能の詳細は専門誌で勉強して下さい。)
a.上部式濾過層セット水槽に付属されていたり、価格的には手頃です。但し、濾材を入れる容量が少ない為、濾過能力が弱いネックがあります。
また外部密閉式を含め、水槽の表層面に浮遊したゴミや油膜を除去することは困難です。
b.外部密閉式稼動音が静かで塩垂れも少ない特徴がありますが、構造上において生物濾過と物理濾過が同一スペースとなっている為、濾過スペース内に排泄物等が堆積することによって水質の悪化を牽引し、発病の原因となりやすいネックがあります。
また、吐水口がシャワー状態である為、酸素供給が乏しく酸欠になる可能性があるなど、海水魚の飼育には適合しているとはいえません。
c.オーバーフロー式この濾過形式は、水槽の下部に大きな濾過槽を設置する形状であり、大量の濾材が確保できる為、充分な生物濾過が期待できます。また、物理濾過はドライの状態で分離できる為、糞や食べ残した餌などを確実に濾し取れるなど、濾過装置としてはベストな形状です。
但し、設置にはある程度のスペースが必要であり、コスト的にも高額になるので、財布との相談が必要になります。
将来的に水槽のサイズアップをおこなう時は、是非考案して頂きたいシステムです。
d.外掛け式物理濾過は多少できますが、生物濾過は全く期待できません。海水魚飼育には不向きです。
(3)照明器具
室内では照度が低い為、照明器具で照度を保ちます。点灯・消灯については、昼と夜の時間帯を規則正しくするように心掛けて下さい。
(4)ヒーター
晩秋以降は気温の低下とともに水温も低下するので早めにヒーターを設置し、水温を25~26℃に保たせるようにしましょう。
(5)比重計
水中における塩分濃度の測定です。比重は1.022程度に保ちましょう。
(6)殺菌灯
紫外線の効果により殺菌作用が期待できます。高価ですが病気の予防には是非設置したい設備のひとつです。
(7)プロテイン・スキマー
物理濾過では除去できない細かい汚れ(タンパク質)を泡の表面に付着させ放出します。設置するには別途にパワーヘッド(昇水ポンプ)が必要です。
海水魚のみの飼育であれば必ずしも必要ではありませんが、予算的に余裕があれば設置してた方がより良い水質を維持することができます。
(8)水槽台
下駄箱や本棚の上に水槽を設置することは止めましょう。60cm規格サイズの水槽でも、水槽の自重等も含めると70kg程度の重さになりますので専用の台が必要です。
ホームセンターで材料を購入しての自作も楽しさがあります。